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ミッフィー

投稿日:2017年04月27日

帰山です

また最近のニュースで見た話ですが。
ミッフィーという絵本を皆さんご存知でしょうか。

私は有名な絵本なので何気なく当たり前に知っていたのですが。このミッフィーの絵本のデザインが、すごいというようなニュースでした。
確かに、限られた色でフラットな塗り、シンプルでわかりやすい線、今流行りのフラットデザイン、ミニマルデザインそのままです。
実はミッフィーの作者のディック・ブルーナという方は絵本作家というよりはグラフィックデザイナーなのだそうです。

フラットデザイン自体が流行りではありますが元々昔からあったものなのですが、やはり洗練されたデザインというものは色あせないのだなと思いました。
ミッフィーの絵本が誕生したのは1960年ごろのようですが、ほとんど古臭さを感じません。

ニュースの中で佐藤可士和という有名なデザイナーの方がコメントしていたのですが「自分は50年持つデザインを作りたい」ということで、ミッフィーの絵本はまさに50年経っても古臭くならないデザインだということです。
佐藤可士和と言えばユニクロのロゴマークやTポイントカードのデザインをされている方です。

確かに、今流行りのデザインも50年たったら古臭くなるんだろうなとは常々思います。10年前のウェブサイトなどでさえ、今見たらそう思うのですから50年持つデザインというのは大変なことだと思います。
ですが、一流のデザイナーならばそこまでやらないといけないんだなと感じました。

話は戻りますが、ミッフィーのシンプルな線ですが、私は単純な線だと思っていたのですが、実は細かくぶれているそうです。
綺麗なデザインの線、というとIllustratorを使ったような滑らかな線をイメージするのですが、そういった完璧な線、というのは実は冷たさや堅さを見た人に感じさせます。
シンプルな線でも良く見るとぶれていたり、歪んでいたり、いわゆる手描きの揺らぎがあると、線に柔らかさが出ます。

ミッフィーの絵本ではその手描き感をあえて線に取り入れ、絵本としての柔らかさを出しているのだと思います。
ぶれた線とは、マイナスイメージで見られがちですが、効果的に使えばデザインの幅を大きく広げるものです。

パソコンで簡単に印刷した文字と、人が一生懸命手描きで描いたレタリングの文字とを並べた時、手描きのほうが高級感が出るのと同じです。
パソコン印刷のようなきれいすぎる線は逆に安っぽい感じを与えるのですが、手描きの微妙なブレは手間暇かけて作った感が出るということです。

デザインのトレンドで調べるとだいたいフラットデザインなどが出てきますが、私は今後はそういった手描き感、手作り感、揺らぎをとりいれた高級なデザインが流行ってくるのではないかとひそかに思っています。
ですが、それも結局は先人の優れたデザイナーがすでに発見している手法ではあるのですが。流行とは古い物の再評価といいますか、結局そんなものなのだと思います。

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